今年は憧れの山、どれかに登りたい。
いやいや、バックウォーター奥深くのあの沢で釣りがしたい。
そんな淡い妄想を抱くには、それなりの準備が必要で、
それが低山であったとしても、登ることに意味がある。
今年は幸いなことに、カメラと言う新しい趣味もできた。
それだけでも、山へ出向く意味を作ってくれたことは、
無精者の僕には良いことであったに違いない。
今回も身近な山ではあったのだが、
登るのは初めての山。
前の日の晩に夕立があったようだが、
本日は気持ちの良い天気となり、
日中は暑くなるだろうと想像できるほどの青い空に、
この日はなんとなくワクワクと胸を躍らせて、車を走らせる。
登山口の駐車場にはすでに数台の車が駐車されていたが、
人影はなく、すでに出発した後のようであった。
朝もやの中、徐々に太陽に角度がついて、
何でもない山道が、神秘的な景色となる。
やや風も強く、昨晩に降った雨の量を思わせるほど、
道には雨水が流れた後があった。
太陽に角度が付き、風により朝もやがどいてしまうと、
何でもない景色に戻ってしまう。
徐々に勾配がきつくなり、濡れた足元は非常に滑りやすい。
慎重に足を運ぶものの、あっけなく山頂に到達。
山頂まで最短ルートだっただけに、
途中はずっと木々に囲まれ、見どころの少ないルートだったが、
それだけに、山頂からの景色は特別な物があった。
ちなみにすぐ先は断崖絶壁。
100mはあるのではなかろうか。
休憩がてら給水しながら、地図を開く。
あらかじめルートは計画していたものの、
様子を見て計画変更しようと、2ルートに絞っておいた。
ザックを再び背負うと、周回コースへ足を向け歩き出した。
登りのような木々に囲まれた道と一変、
湿原の森のような景色が続く。
天気も良く森を駆け抜ける風が心地よい。途中にクリンソウが群生する場所があって、
ひとしきり写真を撮る。
低山には低山の面白さがあり、
登山の楽しみ方も色々であると感じた山行でした。