春の訪れを感じる事は、人それぞれあると思います。
3月の初めには、多くの川で解禁になり、
渓流の世界では、冬の間は獣ぐらいしか現れることのない河原が
春を待ちわびた釣人の姿で賑わう。
僕の解禁はいつもこの花が咲く頃、ようやく準備を始めるのが
毎年の合図となっている。
ようやく固く閉じた蕾が緩み、鮮やかな黄色の花が顔を覗かせる。
庭先の決まった場所に、毎年花を咲かせる福寿草。
今年もこの時期が迎えられたと、嬉しく思うのである。
すっかり春めいた陽だまりで、こちらも季節物の入れ替えとお手入れを行う。
時折賑やかに歌う野鳥を横目に、まだ少し冷たい風が心地よさすら感じる。
カメラを持たないこんな時は殺気も薄れて、
野鳥の警戒心も薄れるのはいつもの事で、
この時写真が撮れれば、トリミングなしでいい写真が撮れるのにと、
考えながら靴の手入れをする。
家族の分も手入れが終われば、春の準備が一つ完了。
来る新たな季節に、期待で胸も膨らんでいくのである。