毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

初挑戦

梅雨のジメジメとした気候が、初夏に続くプロローグあるならば、

本編(夏)を連想させるには、前置きが長くちょっとダルく感じることもある。

来る夏に向け、この時期(梅雨)も大事であることは十分承知であるものの、

1日中降り続く雨に、少しアンニュイになる事もあるのだ。

そんな毎日を払しょくするような、ワクワクしたイベントが週末に

待ち構えていると思うと、そんな雨にも感謝できるから不思議だ。

 

僕は釣りもやるし、山登りも好きだ。

去年から友人に時期になったら是非行こうと誘われていた川が、

今回の目的地だ。

その川は山深いところにあり、山を登り、谷を下る、

山岳渓流のジャンルに入りそうな、今回の計画である。

普段登山に使うザックに荷物を積めるのはいつもの登山なのだが、

そこに釣具が入ることに若干の違和感を感じつつ、

その初めてとなる下準備も楽しみのうちの1つ。

フックを巻いたり、ラインの予備を補充したり、

そうそう、いつも1人で登山や釣りをする時にはやる事のない

お楽しみも持っていこう。

そうやって、初挑戦の山岳渓流に出発した。

 

1年と少しぶりの友人と、早朝の集合場所。

いつも楽しい事はここから始まる。

挨拶もそこそこに、荷物を詰め替え目的地へ車を走らせた。

山間の国道をひた走り、目的地に近づくにつれ降る霧雨に、

天候が悪化しないことを願う会話が2人の口を突くものの、

あの梅雨のアンニュイな雰囲気とは違った。

それは期待に凌駕され、よほどの天候の悪化ではない限り、

少々の雨は気にも留めていなかったからであろうと思った。

 

釣券をを購入し、登山道の入り口へ車を停めて、

支度を始めると、少し雨脚が強くなった。

登山とも釣りとも違う、少し不思議な感覚の中出発した。

登山道に入ってしばらくすると遥か向こうの眼下に、

新緑の木々の隙間から川が顔をのぞかせてた。

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それはまさに渓谷。

これから遥か先のその川を目指し、意気揚々を会話を弾ませひた歩いた。

 

1時間ほど歩いたろうか、河原へとアクセスできそうなところに着いた。

河原に降りると、ザックを下ろし、釣りの準備を始めたことろには、

雨も霧のような雨に変わっていた。

 

遠巻きで見てもその川の水は美しく、今まで見てきた川の中でも、

綺麗な川の上位に間違いなく入る。

こんなシチュエーションで釣りができることが、

今回の目的の1つである。

僕の中ではこんな中で竿を出せるだけでも幸せな気分だ。

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1投目、まずは手前を軽く探るつもりが、いきなりのチェイス

小型の群れではあるものの、いきなりの魚からの反応に、

友人と顔を見合わせ、ワーっとなる。

まあ、野沢雅子風に言えば「おら、わくわくすっぞ」である。

チェイスはあって、ルアーは気になっている様子だけど、

最後食わせるまでには至らないでいた。

ルアーを変えて、ようやく食わせたのがヤマメで驚いた。

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固定概念とはこのことで、こんな山奥にヤマメがいると

頭になかったので、感動にも近い驚きがあった。

友人も数匹釣り上げ、この日の魚に会うという目標はクリアされた。

しかし、渓流は何年ぶりとは思えないのがこの友人だ。

渓流の方は僕の方が経験はあるので、準備の時にあれこれと教えたのが

恥ずかしくなるほど、いとも簡単に釣ってしまう。

 釣りの腕も凄いのだが、それを自慢することないのが

彼の凄いところなのだ。

一通り釣り流したところで、再び道具をザックに詰めて、

山道まで戻り上流を目指した。

 

山道の上から良さそうなポイントを探し、

2人で話して川に降りるかを決めていく。

時間や体力にも制限があるので、

出来れば無駄打ちはできれば避けたいところ。

2人の納得するポイントが現れたところで、

水辺へと降りて行くとさっきのポイントより、

大きめの石がゴロゴロとある景色に変わった。

先行を譲ってもらい、対岸の岩盤沿いを流して行く。

早速ヤマメの群れが、興味津々ルアーを追いかけてきた。

数匹同じサイズが針掛かりした後、

明らかに大きな魚影がルアーを追尾し、

食いついたのは目の前だった。

しかし、その衝撃を一瞬竿に伝え、喜ぶ間もなく川に戻って行った。

思わず、あーっという声が川の音を突き抜けて、

友人の元まで届けられた。

顔を見合わせ苦笑い、こんな時に一緒に釣りをしてくれる人の

ありがたさを感じるものである。

 

一つ背を超えると、川の中央にこれはと言う大きな沈み石が見えた。

少しもったいぶって、核心を外したところを打って行く。

沈み石を上に見て、その岩のえぐれができているだろう場所に、

流し落とすと、ドスンと待ってましたのアタリ。

竿を曲げるその勢いは、なかなかのサイズに間違いない。

開けた場所で、水の透明度も手伝って、

やり取りの一部始終が目の前で繰り広げられる。

慎重にネットに入れた後、再び友人と顔を見合わせ、

喜びを分かち合う。

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これも一緒に釣りをしてくれる人の、

ありがたさなんだなぁと思うのである。


続く