毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

限界への挑戦

大それたことを考えているわけでは無いが、

今の自分の年齢になって、自分の限界がどこにあるのだろうと、

時々思うことがある。

日常では諦めと妥協が大半を占め、何事にも、何物にも妥協を許さず、

何かを成し遂げる事はほとんど無い。

かといって、その道でトップを取ろうとか、

誰にも負けない何かを持っているとか、そういう事ではなく、

あくまで今の自分の中での限界に、ただ挑戦してみたくなることがある。

そこに特別な意味はなく、他の人からすれば大したことはないかもしれない。

自分でも、これに何の意味を持つのかもわからない。

しかし、そんな挑戦をただしたくなる時があるのだ。

 

本格的な夏が到来する時期、夏山も本格的なシーズンを迎える。

毎年この時期にはどこかしら山に登るのが、自分の中での恒例となっていた。

今年はどこへ行こう。

そんな事を考えたのが、早々と梅雨明けをした7月の初めの事だった。

今年は初となる泊まりでの山行も考えていたのだが、

行きたかった山は、大雨による登山道の崩壊でルートが限られてしまっていた。

ならば、昔年の憧れである山深くのイワナへの挑戦はと考えた。

しかし、これにはいろいろ準備不足な感じもした。

そんな時知人から尾瀬の話を聞いた中に、燧ケ岳と言う山の話が合った。

尾瀬ヶ原を一望できる展望は最高だったとのことだったが、

それより、日帰りは過酷だったとの話の方が気になっていた。

家で地図を調べると、話に聞いたルートのコースタイムは10時間弱、

休憩を挟めば11時間以上の山行となる。

そんな話を聞き、何か自分の中でふつふつと湧き上がる感情があった。

それは対抗意識などではなく、自分がどこまでできるのか?と言う、

単純な疑問であった。

これが先に書いた限界への挑戦の始まりだったのだ。

 

今回のルートは群馬県側の尾瀬沼のアクセスポイントである、

大清水から尾瀬沼を経由して、燧ケ岳に登ることにした。

イカー規制のある尾瀬周辺では、大清水に車を停め、

そこから徒歩か、乗り合いタクシーを使い、

一ノ瀬の登山口より登山開始となる。

時間と体力的な問題で、迷わず乗り合いタクシーを使った。

AM5:00 乗り合いタクシーの始発に滑り込み、一ノ瀬の登山口へと出発。

車に揺られ10分ほどで一ノ瀬休憩所に到着。

序盤は川沿いの山道だったせいか、ひんやりする涼しさ。

下界の早朝でも、むんっとした空気とは全く別次元である。

しばらくすると木道が現れた。

尾瀬沼までの山道はさほど高低差はなく、急登な個所はほぼない。

しかも登山道は整備され、この辺はさすが国定公園と言ったところでしょうか。

年配の方も多く見られ、登りやすさと言うところも

尾瀬の魅力なのかもしれません。

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1時間ほどで三平峠に到着。

朝飯のおにぎりを食べながら、地図でルートを確認しました。

ここから沼尻平に向かいます。

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早朝、尾瀬沼のほとりを歩く。

清々しい気分に、水辺の風景も特別に感じ、テンションが上がります。

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自然保護の目的でもあるこの木道。

それも尾瀬を代表する1つの風景でですね。

 

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写真を撮りながら散策していると、沼尻平に到着。

 

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真新しい休憩所が出来ていました。

建物の中には飲み物の自動販売機もあり、

売店ではチョコなどの行動食も売られてました。

写真には写っていませんが、左手の方には立派なトイレもあります。

チップ制で200円でした。

一瞬高!っと思ってしまいましたが、

こんなに綺麗に保たれているのなら、逆に大歓迎です。

 

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よく見ると桟橋のところにボートがあります。

早朝沼を横断するボートを目撃して、なんだろう?と思いましたが、

ここの休憩所に人や飲食料を運ぶ為のようでした。

対岸には山荘があって、そこにはヘリコプターで物資を運んでいるようです。

地獄の沙汰もなんとやら、これだけ費用が掛かっていれば値段も納得ですね。

 

目の前に見えるのが今回の目的の燧ケ岳。

いよいよ本番。

気合入れて登ります。

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草原の中をまっすぐ伸びる木道。

 

 

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振り返ると休憩所。

この時、やっぱり登るのやめて、尾瀬沼散策しようかなって、

心の中で思ったことは僕だけの秘密です。

 

燧ケ岳にアクセスする登山道、その名もナデックボ。

ナデッ窪と書くらしいです。

 

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雨が降った時に水が流れる「窪み」を

なでるように進むので、ナデッ窪と名前がついたそうです。

いや、嘘です。

 

このルートがかなり厳しくて、

後半は傾斜もきつくなり、気持ち的には岩登りな感じです。

登っても登っても、延々岩場が続き、

木々の間から顔を覗かせた山頂は、まだまだ遥か遠く、

何度も「まだ登るのか!」と連呼していました。

 

なんやかんやでようやく1つ目のピーク、「俎嵓(まないたぐら)」に登頂。

燧ケ岳で登山道で登れる3つのピークのうちの1つで、標高は2,346m。

 

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写真は俎嵓から見た、お隣のピーク「柴安嵓(しばやすぐら)」です。

 

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ついさっきまで燧ケ岳を見上げていた、沼尻平が小さくみえます。

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つづく