とある友人の勧めがあって、
ひょんなことからロッドのリメイクをすることになった。
「ランディングネットが作れるんだから、ロッドリメイクは簡単ですよ」
そんな誘いにその気になって挑戦することにあいなりました。
雪もちらつく2月の中旬。
友人の家を訪ね、ノスタルジックなアラジン石油ストーブの上に
乗っているやかんがカタカタと音をたてながら、
ホワホワと湯気を立てている前に座り、
ロッド作りのイロハを聞いていると、
友人がガサガサと本棚から古い雑誌を出してきた。
古いGijiで発行は90年代であった。
パラパラとページをめくると、モノクロのページに
スレッドの巻き方がコマ送りのようなレイアウトで紹介されていた。
その写真を僕に見せながら一連の流れを説明してくれた。
懐かしい雑誌に少々脱線しながらも、作業は進みなんとかブランクに
ガイドが搭載され、残すはあと数回のラッピングと、
グリップの加工と取付。
この作業、いやロッドメイキングの必需品ロッドモーターも
思い切って買ってしまった。
どのくらいやるかはわからないが、
ランディングネットのように一生ものの趣味になるだろう。
そんな気がなんとなくしていたから、
あまり迷いはなかったように思う。
ブランクとグリップの仮組。
失敗や、加工についての悩み。
ハンドメイドを始めた頃に感覚は似ている。
失敗を重ね、遠回りをし、色んな無駄をしながら、
少しずつ完成へと近づいて行く。
このご時世、ググれば何でも分かってしまう。
こんな遠回りが楽しいと思えるのは、
ネットのない時代に育ったからなのか、
すぐに答えの出ない物も、それはまた楽しいと思えるのである。
少しずつ時間を掛けながら、徐々に形になっていくロッドに
一喜一憂しながら楽しんでいる。
また新しい趣味を見つけられた。
勧めてくれた友人に感謝である。