毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

逃避 その2

ブヨに刺された足首は、パンパンに腫れ上がり、

熱を持つほとだった。

悪あがきのポイズンリムーバーも、

刺されてたら半日も経てばなんの効果もない。

最近は市販の塗り薬でブヨ、アブ、ムカデ、毛虫などにも

効果のあるものが、手軽に手に入るようになった。

とは言う物の、刺されない事が1番。

皆様も十分ご注意下さい。

 

宿泊先より徒歩で5分たらず、地元の人しか来ない

閑散とした海水浴場には、ほぼ家族連れである。

若いキャピキャピした女子のグループの姿も無く、

刺激的な燦々と降り注ぐ太陽と対照的に、

ほのぼのとした空気が流れている。

ひとしきり子供とはしゃいで遊び、太陽も傾きかけた頃に、

「そろそろ上がっておいで」と、カミさんが浜まで呼びに来る。

非日常、最近思うがなんと贅沢な時間の使い方だろう。

そう言う物に価値を感じられる年になったのかもしれない。

 

陽が落ちてから地元のお祭りに出かけ、

楽しい酒を飲み、その日の疲れもあり、

お祭りから帰ってくるとそのまま寝てしまった。

ただ、目覚ましのアラームをセットするのは忘れていないところは、

我ながら凄いと思えるのである。

 

立て続けの釣行、こんなことも許されるのが、

この遠征の最高に良いところだ。

早朝の数時間、渓で遊び、家族が活動を始める頃に帰宅できる。

釣り好きにとってこんな最高な環境はないだろう。

 

前回惨敗の渓を見切り、川替えをした。

この毎年恒例の遠征を始めた頃、

夏に良い釣りのできた川だ。

そんな思い出にも引きずられるように、

川に到着したのは、前回より少し時間が早い、

空の色が紫から彩を得る頃だった。

 

そそくさと支度をすると、

おぼろげな記憶を辿り、深場を挟む、

瀬の連続するポイントへ向かった。

エントリーポイントに特徴がなく、

しばらくウロウロ彷徨いながら、

だいぶ下流のポイントから入った事で、

思わぬ遠回りをしながら、ようやく目的のポイントにたどり着いた。

水位は悪くない、水の色も最高である。

透明度が高すぎて、こちらのプレッシャーが気になるところだが、

そんな事より澄み渡る川の中に入って、

釣りができるだけでも最高だ。

 

上流に向かい、ほぼ直角に落ち込みながらベントする。

その水溜り程度の面積に落ち込む渕がまず狙いところだ。

幾重にも重なる落ち込みの小さな渕、

その1つ1つを順番に攻めていく、

不意にはなった小型だったが、1投に反応があり、

残念ながら寄せてきたところでバラシてしまったが、

この遠征で初の魚からの反応に、

気張っていた心も、少し緩んだ気がした。

 

まっすぐなチャラ瀬の向こうには、

緩くなった流れを挟み大きな渕、そして落ち込みが続く。

いかにもと言うポイントなのだが、

過去このポイントで釣れたことは数少ない。

しかし、そんな実績とは別に、なぜだか期待感のあるポイントは

いくつかある。

手前から少しずつ確信のポイントへルアーを入れていく。

3~4投しただろうか、ルアーを追う影が見えた。

先ほどバラした魚より、一回りぐらい大きいだろうか、

同じルアーを続けざまに同じ筋を通すが、

2回は追ってこなかった。

ルアーを替え、再びポイントにルアーを入れる。

スッとフリーで落とし込み、2つばかりアクションを入れる。

パッと急ブレーキをかけるようにトゥイッチの手を止めると、

カツンと言う小気味良いアタリが竿を介して、

手の内に届けられた。

間、髪を入れずフッキングをする。

それはまるでジグヘッドのメバル釣りか、

バスのダウンショットのようなフッキング。

渓魚でこれほど綺麗なフッキングをしたのは、

あまり記憶にない。

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大事に浅瀬に寄せて、ネットに入れた。

小さく元気な魚に、喜びと共に嬉しさがこみ上げる。

その一方でようやく夏の遠征が始まったなぁと

言う気持ちにさせてくれた。

 

つづく