毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

ジムニー

僕の愛車ジムニー JB23

年式は平成11年登録の1型、まさにJB23の初期型。

この度、僕の手を離れ、新しいオーナーの元に旅立って行った。

今から13年前に中古で購入してから、色んなところに行ったり、

色んな思い出を残した。

今釣りや登山を続け居られるのも、大げさではなくこの車のお陰だと思う。

 

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13年前に購入した時は、走行距離7万5千kmの8年落ち。

中古価格がなかなか下がらないこの車で、格安で手に入れたのもあって、

何年か乗れればいいと軽い気持ちいで購入した。

それが、13年を乗り、走行距離は19万9千5百kmで次のオーナーに引き渡された。

もちろん幾度となく故障やメンテナンスもしてきたけど、

ちゃんと面倒を見てあっげればまだ乗る事が出来る、

そんな凄い車がこのジムニージムニーたる所以でもあると思う。

バイクに乗っていたこともあり、僕の中ではバイクに近い乗り物な感覚で、

メンテナンスもそんな感覚の延長のようで、それも楽しかった。

なかなか13年を記事にするのは難しく、それはまたの機会にしようかと思う。

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雷魚探索の朝

 

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この状態から脱出できる車はそういないだろう。

 

色んな思い出をありがとう。

そして、次のオーナーのためにまだまだがんばってほしい。

暑さ忘れて陰忘れる その2

初日に今シーズン初となるヤマメを釣る事ができて、

ホッとできたのと同時に、次の魚の事を考えていた。

この地で秋に釣りをするのは初めてで、翌日の釣りをどうするかで

頭を悩ませていた。

同じ川に入るか、他の川にするか。

そんなことを考えているうちに、いつのまにか寝てしまったようで、

携帯のアラームで気がついた。

コンビニで朝飯のパンとコーヒーを買う頃には、

雲ひとつない空が朝焼けで紅く染まっていた。

結局、川を選ぶのに決定打はなく、単純に昨日行かなかった

もうひとつの川の方が気になったと言う理由で、

川を変えることにした。

 

この日の川は、春先に良形が混じることがある川で、

昨年の春は良い思いをした川である。

 

さすがに朝晩のだいぶ冷え込むようになったが、

日中は30度に迫る気温になるだろうと、天気予報は言っていた。

恐らく、今日もウェーダーは地獄になるだろう。

そんな後悔を今更したところで遅いのはわかっているが、

ぶつくさ文句を言いながらウェーダーを履いた。

1人の時はそんなところで不満を吐露しないと

やっていられない時もあるのです。

 

長梅雨だった今年、その影響かはたまた去年の秋の

台風の影響かは定かではないけど、川の形が

僕の記憶の中のそれと変わっていた。

流れの軸が逸れたことにより、山道から岸までの距離が遠退き、

そこまでの岸も背の高い雑草に覆われていて、

かなり本格的に藪こぎしないとたどり着くことができなくなっていた。

そのお陰でポイントを2つ3つ飛ばして、一気に実績のある落ち込みに向かった。

川原へのエントリーポイントから、崖を木づたいに降りてしばらく歩くと

 

目印の大岩が見えた。

このポイントは大きな岩が連なっているせいか、

大雨の影響はほとんど無いように見えた。

ここまで要所で探りは入れたものの、前日同様幼魚の姿しかなく、

アタリが一回あった程度だった。

そんなせいもあり、期待感は一気に上昇していったが、

2投目で小型のチェイスがあっただけで、その後は全く反応がなく、

その後、良いポイントが連続するのだが、魚からの応答は皆無だった。

 

一度山道に戻ると再び上流を目指して大きく移動した。

小場所であっても一通り探りを入れ、小さく移動する。

この川にしたら大きい方のプールのポイント、

水深は1mと少しぐらいだろうか。

そこに昨年春にこの川で大活躍をしたルアーを選び、

手前からサグリをいれて、最奥のポイントに流し込み、

トントンと様子をうかがうと、ガツンとルアーは引ったくられていった。

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大きさは大したことは無いが、何を食っているのか、

すごく力強い魚だった。

来るべき季節へ向けて、準備をしている最中なのだろう。

そんな魚に出会えて本当に幸せである。

 

その後は2度ほど手前でバラシがあったものの、

キャッチするに至らず。

普段はあまり行かない、魚止めの堰堤にも挑戦したが、

期待の1尾は手にできなかった。

そして、太陽が頭の上に来る頃、30度の気温に耐えきれずギブアップ。

水は真夏より冷たく、確実に季節が進行していることを教えてくれた。

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こうやって浅瀬に足を投げ出し、空を見上げる。

短パンスタイルだと帰りの事を考えて躊躇するようなことだが、

この時だけはウェーダー履いてきて良かったと思えた。

 

こうやって、僕の今シーズンの渓流は終わった。

いろんな事がイレギュラーで、何かにつけて我慢しなければならない

場面が多々あったが、そんな中でもこうやって釣りをすることができた。

今年の春先の時点では、こんな遠出もできるなんて予想も出来なかった。

暑さ忘れて、陰忘れる

暑い時は日陰はありがたいのに、涼しくなると陰のありがたみを忘れてしまう。

改めて、自然の中で釣りが出来る環境があることに、

感謝しないと行けないと思いました。

また来年来られることを祈り、その頃には世の中も

良い方向に向かっていることを切に願いました。

そんな意味でも、僕にとって大きな意味のある釣行になりました。

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暑さ忘れて陰忘れる その1

里の木々も少しずつ色づき初め、一気に秋が深まり、

やがて来る新しい年を意識し始めていく。

普段はほとんど乗ることのない電車に野暮用で乗ると、

とこからともなく防虫剤の匂いがした。

タンスの置くで出番を待っていたコートも、

衣替えでスタメンにカムバックしたのだろう。

この匂いは、春のそれより秋を感じる気がする。

そんな余韻に浸りながら、今シーズン最期の

釣りの事を思い出していた。

 

秋が近づいているのにも関わらず、

真夏を思い出させるような太陽が燦々と降り注ぐ、

そんな禁漁間近のある日、やっとまともに

渓流釣りに行くことができた。

こんなに釣りをしない年は珍しく、

もういい加減文字に羅列するのも面倒に思えるほど、

少しうんざりしている自分がいた。

久しぶりに渓流釣りに没頭できるのと、

例年禁漁間近にあまり釣りをしないので、

一発の期待感で珍しくこの日を楽しみにしていた。

 

春先によく来る川に初めて秋の時期に訪れる。

夏に購入して、試投だけで魚を掛けていなかった

リールのデビュー戦でもある。

この日を含めて二日間。

我慢した割には短すぎる限られた時間。

限られた時間だからこそ、楽しめる方法もある。

時期的にも今年最後の渓流釣行。

否が応でも、ワクワクする気持ちを抑えられずにいた。

 

バラスの農道に入り、橋の袂のいつもの場所に車を置いて、

橋の上から川を覗くと、川の真ん中辺りに数尾の小魚姿が見えた。

恐らく鮎であろうと予測して、そそくさと準備を始める。

頭の中で川の状態を予想して括り付けルアーを

ケースの中から一つ取り出す。

この期待と不安が入り混じった時間が、たまらなく好きなのだ。

 

久々の真夏日になったこの日、この時期短パンの夏スタイルでは

寒いだろうと、ウェーダーで来てしまった事を公開する事になった。

水温は先日まで降っていた雨のお陰か、程よく冷たいのだが、

上半身は半そでのTシャツが汗でびっしょりになるほどだ。

時期と朝見た鮎の陰とで、エリアを絞ったはずだったが、

それが物の見事に外したようだ。

秋晴れと言うには少し清々しさに欠ける真夏のような日差し、

山々の緑はまだまだ濃い緑のままだが、透き通るような

空の青さは、確実に秋を感じられるまでに季節は進行している。

長雨だったり、酷暑だったりと、季節感のかけらもなく、

コロナ禍がそれに拍車をかけて、季節感を喪失させた。

 そんな中で感じられる季節の進行は、とてつもなく嬉しい物だった。

それだけでもこの釣行の意味は十分にあった。

 

お昼過ぎから始めたが、気づけば日はかなり山の方に傾いていた。

開始から幼魚が針掛かりして、ポロリが二度ほどあったものの、

どうもぱっとしないこの日。

自然を相手にしたドラマは、フィクションのように

ドラマティックにはいかない。

当たり前のようだけど、これが真実であり、

自分の実力であることは否定できない。

釣行前の期待はどこへやら、今にも脱渓しそうな自分がいる。

しかし、次のベントのその先に、次の落ち込みに、

夢の詰まった魚がいるかと思うと、撤退も躊躇してしまうのは、

釣人であればわかってもらえるだろう。

 

この日の大本命と予想していた深場にも魚の陰は無く、

次の脱渓ポイントで諦めようと思った次の何でもないベントカーブ、

一応探っておこうと思った何でもない大きな岩に流れが当たる、

何でもないような流れの中。

スッとドリフトさせたら、ようやくこの日の1尾目をキャッチできた。

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何時間かかったのだろう。

苦労が報われたとまでは言い難いが、嬉しい事には変わりない

1尾との出会いで、暑さの事も忘れさせた。

 

その後、2尾ほど同じサイズを、同じエリアで追加して、

この日の釣行を終える事が出来た。

我慢を重ねた今年の釣りで、優しく迎え入れてくれるような状況ではなかったけど、

それでも良かったと思えた事は、今年の特別な事情からかもしれない。

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久々の賑わい

暑くなったと思いきや、寒い時は冬になったかのような寒い日。

近年の異常気象と重ね合わせて、異常だと思っている人も

多いかと思いますが、春や秋は昔から気温の変動が激しいもので、

みんな忘れているのと、希望的観測で見ていらっしゃるのかなぁ

なんて思う事もしばしば。

確かに、季節の割合で春と秋は短くなっているようですけど、

それが短くなったからと言って、自分が何か始めようって人は

少数派のようで、何が言いたいのか頭をひねるとも少なくない。

僕自身も何が言いたいってわけでは無いけれど、

多数派の言動もあまりアテにならない世の中だなぁなんて、

秋の夜長に思うのであります。

 

少し前ですが、子供のお友達家族とキャンプに行ってきました。

季節的には日中は少し汗ばむ陽気、陽が落ちれば薄手の上着

焚火との距離が縮まるキャンプするには良い季節です。

GOTOトラベルなど景気回復に向ける動きが活発化していく中で、

キャンプ場の人でもかなり戻ってきた感じでした。

県外ナンバーのキャンパーも前よりは格段に多く、

サイトも見たところ全て埋まっていました。

コロナ禍で屋外のレジャーの人気が急上昇し、

真新しいテントや道具を広げている人や、

設営に四苦八苦している家族、昨今の流行でお一人様も

ちらほら見られました。

いずれにせよ、キャンプ場にも活気が戻り、良かったなぁと

思う反面、混雑もまたコロナとは別に遠慮したいと、

複雑な心境でもあります。

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管理棟で売っている地ビール

昔は地ビールってクセが強い物があったりで、

あまり好きではありませんでしたが、最近の物はかなり飲みやすく

なったなぁなんて印象です。

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なんか焚火に入れると炎の色が変わるアイテムで、

子供たちと遊んでいました。

最近は面白い物がありますね。

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子供たちと他愛もない話をしながら過ごすのも、

非日常を感じられる瞬間です。

こんな遊びも、やる事を持て余す夜の楽しみではないでしょうか。

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なかなか自分の子供の友達とはお年頃な事もあり、

こんなイベントでもなければ、話することもないので

貴重な時間を過ごせました。

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翌朝はこんなおしゃれな朝食を振舞ってもらいました。

一見おやきにも見えますが、肉まんとあんまんを焼いたものです。

斬新な食べ方に最近のキャンパーの凄さを目の当たりにしました。

とってもおいしかったです。

 

楽しい秋のキャンプでした。

 

帰省してもいイカ

荒天の河口のポロリの胸の痛みも言えぬまま、昨日の漁港へと車を走らせた。

フロントウィンドウを打ち付ける雨の勢いは、弱まる様子を見せてはくれない。

最初から雨の中の釣りに覚悟はあったものの、次第に雨が弱まるとの

天気予報を信じていただけに、少々期待外れな気持ちになるのも無理はなかった。

 

漁港に着くと、釣りをしている人はいなかった。

この雨ではたとえ釣り好きであっても、さすがに釣りをしている

能天気な人はいないだろう。

良い潮のタイミングまでは数時間あるが、昨日の調子だと潮のタイミングまでに

数杯は釣れるだろうなんて捕らぬ狸的な皮算用で、

やる気満々雨の防波堤をポイントを探し歩いていく。

 

気になっていた濁りはそれほどでもないようで、

海面に打ち付ける雨の波紋でモザイクが掛っていて見えずらいものの、

相変わらず小魚の魚影はあった。

そう焦る事も無く、時々餌木を替えたりしてみて、

のんびりその時が来るのを待つ。

沈めたり、動かしたり、キャストの方向を変えてみたり。

今でも初心者と同じようなもんだけど、初めてこの釣りをやった事の

ぼんやり思い出していた。

それは初めて釣りをした時の記憶と通ずるものもあり、

その記憶は期待感に満ちたものである。

色んな障害を越え、今帰省出来て、自然の中で釣りができていることが、

本当にありがたく感じた。

 

そんな中、ギューっと昨日のあの間隔が再び竿を伝い、それを手に届けた。

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昨日の簡単な好条件とはかけ離れていたが、

お持ち帰りを前提とした獲物がようやく手に入った。

 

その後、夕方になるにつれ雨は降ったり止んだりを繰り返し、

徐々に雨も上がって行った。

釣り人の姿もそれに合わせてか、徐々に増えてきた。

しかし、昨日はあんなに釣れていて、大潮と言う好条件であるにも拘らず、

今日は反応が薄く、再び難しいと言う印象に脳内が覆われた。

もちろん自分の腕の問題でもあるという事は、重々承知。

管釣りのように食い気のない魚でも釣り上げる方法はあるのだから、

自然の状況だけのせいにするのは不躾であるのは自覚している。

 

この日5時間竿を振り続け、大気を裂くようなビュンビュンと鳴り響く

ようなシャクリが出来るようになったころ、やっと3杯を釣る事が出来た。

家族で食べるのに十分満足行く量の旬の味を堪能できて、

久しぶりのイカ釣りも楽しめ、本当に良い帰省ができました。

帰省するわけにはイカないか

前回からの続き

 

先述した通り、今回の帰省は最後までしていい物か悩んだ。

高齢化が進む過疎地、この町ではコロナの感染者は未だにいない。

医療機関だって遠く離れた病院でなければ、受け入れなんてできないし、

もし自分がウィルスを運んでしまったら?なんて考えは当然あった。

古くからある観光地、昨今のテーマパークのような煌びやかで、

華やかな物とは遠くかけ離れているが、観光業で財政を賄う割合が多い

この地方には、恐怖を越え、賛否があろうとも県外からの人を

受け入れなくてはならない状況にあるほど、ひっ迫した状態であるのは

手に取るようにわかる。

それだけに、帰省するのがいいのか、帰省しない方がいいのか、

近年あった天災等の復興とは違う、やりたいけどやれない支援が

あるのだと、体が強張るほどどうしようもない衝動にかられた。

かつて判断に迷う事があっただろうか。

それほど個人では判断が難しい状況ではあった。

格好つけてこんな場で言う事でもないが、最終的に判断したのは、

規律に従いかつ支援をする。

かつてテレビで言っていた「恐れながら進む」段階のなってきたのだと思った。

Gotoなんとかの対象にはならない帰省。

それでも食事代、観光、お土産等、かつてないほど散布してきた。

来月のカードの引き落としをこれほど恐怖に思えた事はないほどに・・・。

地元に金を落とす。

少しばかりではあるが、何かの支援になればと、

自分の行いを正当化する盾代わりにするのであった。

 

話が脱線しましたが、イカの続きで前回のお話の翌日です。

 

翌日、屋根を打ち付ける激しい雨音で目が覚めた。

就寝際に降り出した雨が、夜通しかなりの勢いで降り続いたであろう状況が

目の前の用水路の水かさが増していたことで確信へと繋がった。

どうやら風も無さそうだし、海の方は大丈夫だろう。

そんな期待感をもちながら朝食を済ませて、部屋の掃除と洗濯を済ませ、

潮時表を見ながら釣りに出る時間を伺っていた。

イカの時間にはイカにも時間が早く、焦る気持ちもイカがなものかと、

焦る男はイカさないと言い聞かせる。

そうだ、荒天の方が良い釣りもあったなぁ。

ここぞとばかりに、河口の大きな川へ向かった。

 

激しい雨は少し落ち着いたものの、海からの風が強まり、

河川の釣りでだけではなく、イカの方も心配になってきた。

この川も帰省の度に訪れるのだけど、かつて1度大型のスズキが

写真に収められずに、幻となってから連戦連敗の川である。

今回は今までにないほどの好条件。

大潮、荒天とこれで釣れなければ、僕にスズキは一生縁がないだろう

なんて思えるほどの状況であった。

 

雨で曇ってはいるがま真昼間。

どんなルアーがいいのかわからずに、一通り試してみる。

バイブレーションに取り換え広範囲を乱れ打ち、マグレの1尾を狙う。

リフトアンドフォール、スピードの緩急、ストップアンドゴー。

気のせいか何度か当たった気がするが、そんな時はたいがい障害物に

当たっただけのことが多いので、あまり気にしていなかった。

 

何もない事数時間。

そろそろイカの時間かなぁなんて考えていた時、

なにかプルンと言う軽い衝撃と何やら竿に重みを感じた。

バイブレーションの早巻きの速度そのままにリールを巻き続けると、

ルアーに20cmぐらいのセイゴが掛っていた。

魚が掛った事に驚き、そのままリフトして岸に上げようとしたその時、

針から外れてそのまま帰って行きました。

なので、また初魚認定の証明写真を撮る事が出来ず、

両手を縛られ、自慢できない日々が続いていきます。

イカはイカが

前回からの引き続き、帰省のお話です。

 

カンパチ(幼魚)を釣り上げた頃、ポツポツと釣り人も増えてきた。 

丁度潮の動く時間帯、夕マズメに向け防波堤に並んだ釣り人たちの目当ては、

この時期ならではのアオリイカである。

ここがアオリイカのポイントである事は、以前から知っており、

アオリイカが出来るタックルは事前に準備していた。

 

防波堤を歩いていると、向こうの釣り人が何か釣り上げたようだ。

その後の様子から釣れたのはアオリイカで間違いない。

すると、防波堤にならんだ他の釣り人の竿も、次第にしなり始めた。

まさに時合を目の当たりにしている。

本当は今日は様子見で、翌日の大潮最終日に向け、

何の釣りをしようか考えるはずだった。

一端車まで戻り、イカのタックルを準備し、再び防波堤へと戻った。

久しぶりのイカだし、本当の本当で下見だし、

どのくらいの物か試すだけだし、明日が本番だしと、

何の良いわけか分からないが、なんとなく後ろめたい気持ちで、

本気の人たちの邪魔にならないよう、ちょっと離れたところで始めさせていただいた。

 

イカなんてここ数年ご無沙汰だ。

エギングと言えば流行にのって、年々釣り人も増え、

漁港などは一晩中しゃくり続ける人であふれていた事もあり、

1回行って酒の肴も確保できないほど、素人の僕には過酷な状況であった。

そんな事が脳裏をかすめ、どうせ釣れないんでしょ?

なんてことを断定しにかかってくる。

でも、今の状況はどうだ。

夕方には差し掛かっているが、まだお日様も高いのに上手い人の中には

連発させている人も垣間見えた。

そんな期待感を胸に、錆びた記憶の引き出しを

埃を払いながら開けていく。

50m以上離れたお隣さんは、ここからでも聞こえそうな勢いで、

ビュンビュンと竿をしゃくっていた。

それは、大気を切り裂くと言う形容詞がぴったりだ。

 

少しづつ潮の流れが速くなってきたように見える。

ちょっと横にずれ、色々と探りながら試していく。

カウントして、引っ張り上げるように餌木を浮上させ、

そこからカウントで沈める。

テンションをフリーにしていたせいもあり、

しゃくりの態勢に入った時に違和感を感じた。

あ!これだ。

その後は重みが乗り、時折ギュッギュと竿先が持ってかれる。

あぁ、これこれ。

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数年ぶりに出会ったそのイカは、変わらず僕の記憶のままだった。

今日は持ち帰る準備もしていなかったので、

そのまま写真だけ撮って、お帰りになってもらいました。

あくまで今日は下見、偵察だ。うんうん偵察。

翌日を楽しみに、高鳴る胸の鼓動を抑えつつ、家路に着きました。