毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

梅雨のあける頃

梅雨に入る頃、庭先の棚にぶら下がる奇妙な植物が現れる。


f:id:gonfactory:20180702102403j:image

その正体は、藤の種である。

質感はインゲンに似ており、大きさはソラマメ。

シルエットはエダマメを大きくした感じである。

 

藤の棚を作って3年目ぐらいの時だろうか、

僅かばかりの花が咲き、やがて梅雨の頃になると

豆類の鞘のような膨らみが、花の先端部分にできた。

こんな風に藤が種を付けるなんて知らなかった僕は、

その奇妙な様相にちょっと気味悪さすら感じたのを覚えている。

やがて、秋になり葉が落ちて、本格的な冬が到来するころには、

鞘もすっかり茶色くなり、木の実の殻のように堅くなって、

割れた鞘の中には柿の種(アラレの方じゃなく)ほどの

種が入っていた。

 

梅雨明けしたように照りつける強い日差しを遮るように、

藤棚の葉がゆれ、涼しげな木陰を作ったその下に、

今年は沢山の藤の種がぶる下がっている。

考え方によっては音のない風鈴や、

雫を模造したオブジェにも見えなくはない。

そんな風に思ったら、途端に涼を感じて

しまえるのだから、単純なものである。

来年以降も梅雨明けの楽しみができ、

風物詩と言える風景が庭先にできたことが、

少し嬉しく感じられました。

f:id:gonfactory:20180702152935j:plain