令和になって約1月ほど、各地でこの時期しては
記録的な暑さに見舞われた5月。
すでに夏になってしまったような気温に、
毎年どちらからともなく声をかける、
友人との釣りの約束も、この変な気温ですっかり
季節感を無くしたのか、危うく忘れかけていたところを
急遽折り合いをつけて渓に行く事になった。
どこの川に行こうかと話す中で、
実績ある川か、それとも新規開拓か、
迷いながらもどちらからともなく、
新規開拓を選択した。
県をまたいで流れる川の丁度県境ぐらいの支流。
いくつか候補があったものの、特に決め手があったわけでもないが
その1本の支流を探索することに決まった。
1年の内で日の出が早くなっていく頃、
いつもの集合場所に付いた頃には、辺りは明るくなっている。
年々体力も低下し、朝がだんだん遅くなってきたのもあるだろう。
久々の再会はいつもの通り、釣り場に向かうまでの間、
やはり釣りの話になる。
今日の川の話、先日LINEで送ってきた魚の話、
いつあっても、話の内容はさほど変わらない。
朝もやの中、支流に入るとうっすらと濁りがあり、
それは雪代によるものだと、この日の厳しい状況が
すぐ脳裏に思い描かれた。
崩落で通行止めの山道を、迂回するように車を走らせる。
朝日に山が映え、こんな景色もこんな釣りの醍醐味。
さらに奥に入っていくと、ようやく川に近づいて、
その流れを見て衝撃を受けた。
下流で雪代だと思っていたのは、ひどく白濁した水で、
ほぼ透明度は無い。
少し投げてみる物の、もちろん反応も無く、
早めに切り上げて川替えをすることにした。
次の川は実績があり、魚には触れるだろうと確信のある川だ。
ワクワクは少ないのだけれど、その分釣る事に集中して楽しめる。
案の定、飽きない程度の魚からの反応。
釣だけにやはり釣る楽しみがある事に越したことはない。
昼を過ぎたところで脱渓し、道の駅の脇に車を停め、
遅めの昼食を取った。
昔はこんな風に昼食を取る暇も惜しんで、
釣に没頭していたけど、その日の話をしながら、
お湯を沸かしてカップラーメンを食べたり、
コーヒーを沸かしたり、そんな事も楽しいと思えるようになってきた。
この日も気温は高く、暑い日であったが、
木陰は爽やかな風が吹き抜け、ホットコーヒーが心地よく感じる。
帰る道中、次に繋がるようにいくつかの川を見ていった。
面白そうな渓相、地図では知りえる事ができない情報、
僅かな時間であったが、ワクワクするには充分すぎる時間。
あっという間に朝の駐車場まで帰ってきた。
別れ際に、次回の話で盛り上がり、帰宅の途に着いた。
また、一緒に釣りしましょう。