毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

帰省するわけにはイカないか

前回からの続き

 

先述した通り、今回の帰省は最後までしていい物か悩んだ。

高齢化が進む過疎地、この町ではコロナの感染者は未だにいない。

医療機関だって遠く離れた病院でなければ、受け入れなんてできないし、

もし自分がウィルスを運んでしまったら?なんて考えは当然あった。

古くからある観光地、昨今のテーマパークのような煌びやかで、

華やかな物とは遠くかけ離れているが、観光業で財政を賄う割合が多い

この地方には、恐怖を越え、賛否があろうとも県外からの人を

受け入れなくてはならない状況にあるほど、ひっ迫した状態であるのは

手に取るようにわかる。

それだけに、帰省するのがいいのか、帰省しない方がいいのか、

近年あった天災等の復興とは違う、やりたいけどやれない支援が

あるのだと、体が強張るほどどうしようもない衝動にかられた。

かつて判断に迷う事があっただろうか。

それほど個人では判断が難しい状況ではあった。

格好つけてこんな場で言う事でもないが、最終的に判断したのは、

規律に従いかつ支援をする。

かつてテレビで言っていた「恐れながら進む」段階のなってきたのだと思った。

Gotoなんとかの対象にはならない帰省。

それでも食事代、観光、お土産等、かつてないほど散布してきた。

来月のカードの引き落としをこれほど恐怖に思えた事はないほどに・・・。

地元に金を落とす。

少しばかりではあるが、何かの支援になればと、

自分の行いを正当化する盾代わりにするのであった。

 

話が脱線しましたが、イカの続きで前回のお話の翌日です。

 

翌日、屋根を打ち付ける激しい雨音で目が覚めた。

就寝際に降り出した雨が、夜通しかなりの勢いで降り続いたであろう状況が

目の前の用水路の水かさが増していたことで確信へと繋がった。

どうやら風も無さそうだし、海の方は大丈夫だろう。

そんな期待感をもちながら朝食を済ませて、部屋の掃除と洗濯を済ませ、

潮時表を見ながら釣りに出る時間を伺っていた。

イカの時間にはイカにも時間が早く、焦る気持ちもイカがなものかと、

焦る男はイカさないと言い聞かせる。

そうだ、荒天の方が良い釣りもあったなぁ。

ここぞとばかりに、河口の大きな川へ向かった。

 

激しい雨は少し落ち着いたものの、海からの風が強まり、

河川の釣りでだけではなく、イカの方も心配になってきた。

この川も帰省の度に訪れるのだけど、かつて1度大型のスズキが

写真に収められずに、幻となってから連戦連敗の川である。

今回は今までにないほどの好条件。

大潮、荒天とこれで釣れなければ、僕にスズキは一生縁がないだろう

なんて思えるほどの状況であった。

 

雨で曇ってはいるがま真昼間。

どんなルアーがいいのかわからずに、一通り試してみる。

バイブレーションに取り換え広範囲を乱れ打ち、マグレの1尾を狙う。

リフトアンドフォール、スピードの緩急、ストップアンドゴー。

気のせいか何度か当たった気がするが、そんな時はたいがい障害物に

当たっただけのことが多いので、あまり気にしていなかった。

 

何もない事数時間。

そろそろイカの時間かなぁなんて考えていた時、

なにかプルンと言う軽い衝撃と何やら竿に重みを感じた。

バイブレーションの早巻きの速度そのままにリールを巻き続けると、

ルアーに20cmぐらいのセイゴが掛っていた。

魚が掛った事に驚き、そのままリフトして岸に上げようとしたその時、

針から外れてそのまま帰って行きました。

なので、また初魚認定の証明写真を撮る事が出来ず、

両手を縛られ、自慢できない日々が続いていきます。