毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

ブログをやめて

僕が8年間続けたブログを止めたのは、7月のこと。

釣りのこと、山のこと、ハンドメイドのランディングネットやキャンプこと、

そして、他愛もない日常のこと。

何となく始めたものが、8年も続いた事に驚いていたのは自分自身であった。

色々あって、色々考えた挙げ句に閉鎖しようと言う決断になったのだけど、

いざ止めようとすると名残惜しさや、心残りもあったりして、

後ろ髪引かれる思いで、8年間を締めくくった。

再びブログをやるつもりは無かったし、

SNSでもブログの代わりは十分にできる。

それほどブログ自体に執着は無かったけど、

書くことをしなくなって、しばらくして無性に『書く』事を

したいと思っている自分に気付いた。

ブログと言う媒体から離れ、何かを感じたとき、

何かで感動したときに、その思いを書き留めておく手段として

ブログをやっていたのだと、その時気付かされました。

別にブログにこだわること無く、手帳でも構わないのかもしれないけど、

『人に見られる可能性のある文章』を書いていると言う、

緊張感みたいなのは閉鎖的な日記みたいな物には無く、

そこが再びブログを始めた切っ掛けにもなった。

 

ブログをやっている人達には、それぞれの理由があると思う。

それがブログをやめて改めて感じた、ブログの魅力なのかもしれない。

 

谷川岳山行 その3

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本日の目標地点だった茂倉岳に到着したものの、

周囲はガスに覆われ、疲れを取り去るほどの眺望は叶いませんでした。

茂倉岳山頂には僕を含め10人ほどの登山者が足を止め、

飲食や写真を撮ったりしています。


「どちらまでですか?」

こんにちはと声を掛けた山マダムから、そんな問いかけをされました。

「ここ(茂倉岳)が今日の目標地点なので、ピストンでロープウェイまで帰ります」

と、僕が答えました。

ちょっと驚かれた様子で、「ピストンですか?」と言っています。

話をすると、ここまで来る人の殆どは新潟県側へ下り、

土樽駅から土合駅まで電車を使って帰る人が使うルートらしく、

ピストンする人はあまりいないようです。

確かにこの時点で11時半、帰りの最終ロープウェイが17時で、

予定だと余裕を見て15~16時に、天神平でロープウェイに乗る計画でした。

しかし、茂倉岳から土樽駅までのコースタイムは2時間半。

土樽駅の発車時刻は15時20分。

「このペースなら余裕じゃないですか?」の言葉にも後押しされ、

地図とにらめっこをした結果、土樽駅へ向かうコースに予定変更しました。

(あくまで自己責任の範囲です)

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幸いな事に体もまだ軽く、いつもならそろそろ出始める足の痛みも

今のところ感じられません。

先週に八ヶ岳を登っているので、体調も良かったのではなんて思いながら、

土樽駅へ向かい出発しました。

 

いつも車で登山口まで行って、ピストン、周回コースなどで

駐車場まで戻ってくる登山しかしたことのない僕にとって、

イムリミットがある登山は未知でした。

このコースの存在を知っていましたが、

イムリミットがプレッシャーとなり、

計画段階で除外していました。

その不安を払拭するように、余裕を作るべくペースアップします。

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分岐点より少し下ると、避難小屋が見えてきます。

後は下るのみ、避難小屋では足を止めず、先を急ぎました。

 

コースは膝位の笹に覆われ、人一人歩ける幅があるのみです。

ここ数日雨が多かったのか?粘土質の足元はかなりスリッピーです。

目の前で先程の山マダムがしりもちをついていました。

慎重になりながらも、タイムリミットが頭を過り、

ペースを保って下るのですが、恐らくこれらの要素で変な力が入ったのでしょう、

後になって利いてくるとはこの時はまだ知るよしもありませんでした。

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少しガスもどいて、写真を撮っては気分を晴らします。

徐々に疲れもたまってきたようで、足に違和感を感じるようになってきました。

また標高が下がったのと、ガスと晴れ間が交互に現れる天気で、

気温と湿度の上昇と共に、体力も奪われていきます。

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遠くに高速道路が見えてきました。

土樽駅はあの高速道路の脇にあります。

少しホッとしましたが、本当はここからが本番です。

 

ザックから飲み物を取り出している間に、

茂倉岳山頂であった青年2人組に追い付かれました。

「がんばりましょう!」とお互いにエールを送り、

僕は少し食べ物を口にして、燃料補給して彼らの後を追うように

再び出発しました。

 

どんどん斜度がキツくなる下りに、

露出した木の根、湿った粘土質土に足を取られ、

疲労は増すばかり。

この時はさすがにルート変更したことを少し悔やみましたが、

普段甘えている自分へ挑戦の意味も込めて、

最後まで諦めること無く、がんばろうと言う気持ちも芽生えてきました。

 

目印が少ないコースで、現在地もよく解らず、

残りがどのくらいなのかも分からない状態で、

しばらく足が止まってしまいました。

そこへ後ろから現れたのが先程の山マダム達、

「もう少しですよ、がんばって!」の声を残し、

あっさり追い抜かれてしまいました。

その時自分がペースダウンしていることに気づきました。

いや、もう随分前から分かっていたのですが、

気づかないフリをしていたのだと思います。

この時初めて「電車の時刻には間に合わないかも」と言う

何とも言えない不安にかられたのを覚えています。

 

下る毎にロープが設置された傾斜のきついところが増えてきました。

足場は荒れていて、疲れも追い打ちされて踏ん張りがきかず、呆気なく転倒。

慎重になり体が固くなる悪循環は、そう簡単には拭えません。

そんな時、背後から人の気配がしました。

今まで会ったことないご夫婦のペアでした。

 自分より早いペースだったので、先を譲ります。

「こんにちは、ありがとうございます。」とすれ違いざまに声を掛け合い、

僕はしばらく一人で歩いていたので、ご夫婦にペースを作ってもらおうと思い、

少し離れた距離を保ちつつ、一緒に下り始めました。

 

気が抜けるのを防止するために、下り始めてからは時計を見たいませんでした。

時計を見ることで、諦めや気の緩みに繋がると思ったからです。

恐らく前を行くご夫婦も、このルートにいる時点で

土樽駅へ向かっている可能性は高く、

この時点ではなんとしてもこのご夫婦にペースを合わせるのが、

僕にできることでした。

 

ご夫婦との差が少しずつ開くのを感じました。

トンネル状に木々に囲まれた登山道が、

葉を叩く雨音に包まれまれ、カッパを着るかを考えていると、

ご夫婦が止まってカッパを着込んでいるようです。

残りの距離も今一把握できていなかったので、

時間のロスを覚悟で僕もカッパを着込みました。

 

少しカッパの出し入れに戸惑い、

再び出発する時にはご夫婦の姿はすでにありませんでした。

時折激しく打ち付ける雨は一瞬の内に過ぎ去っていきましたが、

空の様子はまたいつ降りだしてもおかしくないような雲行き。

カッパを着たまま進みますが、雨が止むとカッパの中は、

蒸し風呂のようで更に汗が滴り落ちます。

集中力も切れ掛けたその時、足を取られ呆気なくしりもちを着きました。

この時気持ちの糸がプツリと音を立てて、切れたような気がしました。

もう諦めよう。

その場に立ち止まり、ペットボトルに残された水を飲み干しました。

どのくらいの時間立ち尽くしたでしょうか。

再びポツリポツリとカッパを叩く雨音が、

こんな僕を慰めてくれているようにも思えました。

再び歩き出すと、土合駅までどうやって帰ろうかと考えていました。

幸いこの日は土曜日、非常食も持っているので、土樽駅で野宿も可能です。

そう考えたら気持ちが楽になり、急ぐこと無くゆっくり下って行き、

やがて少し開けた所にでました。

そこは恐らく駐車場なんだと何となく思いました。

慌てる必要もないので、ザックを下ろし、雨の心配も無さそうなので、

カッパを脱いで腰を下ろして休憩しながらザックに泥だらけの

カッパをしまっていると、どこからともなく熊鈴のような音が聞こえます。

ふと、降りてきた登山道の方を見ると、若いカップルの姿がありました。

「お疲れ様です!」

女性が声をかけてきました。

「今日はビールが美味しいですよ!」

続け様発せられたその言葉で、僕はハッとしました。

そう言えば茂倉岳の山頂で、ピストンしようか迷っている時に、

「早く帰ってビールが飲みたいので、(時間の短い)土樽駅に向かうコースにします」

なんて、冗談を言っていたのがそのカップルだと気付いた。

すでに電車の時刻に間に合わないと思っていただけに、

恐らく土樽駅みたいな向かっているであろうこのカップルの存在に

動揺している自分がそこにいました。

そのカップルに僕は

土樽駅に行くんですか?」と言うと

「そーです。」と明るく女性が言った。

「え?!まだ電車間に合うんですか?」と言うと、

「かなりギリギリみたいですけど、行けそうですよ」と、

そのカップルは姿を消して行きました。

全く諦めていただけに、心底きました。

そして、直ぐ様ザックを背負いそのカップルの後を追いました。

最後の力を振り絞り、ペースをあげて歩きました。

舗装路に出ると地面の固さが堪えます。

すると、後ろからも声が聞こえてきました。

僕の100m後方に、別のカップルの姿が見えます。

方向からして彼らの向かう先も土樽駅

その時脳裏にはなぜかZARDの『負けないで』が流れました。

そう、24時間テレビのアレです。

線路が見えた時は涙ぐみそうになりました。

程なくして駅舎が見えてきました。

この時僕の頭の中はサライ一色です。

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入り口を見ると、山マダムのお二人が出迎えてくれました。

「私達が変なこと言っちゃってごめんね」と、

どうやら山頂で誘ってしまったこを、気にしていたようです。

「最終的に決断したのは自分の責任ですし、逆にこのコースを

経験させてくれた事に感謝してますよ」と言いました。

心配お掛けしてすみませんでした。

こうやって無事電車に乗ることができ、土合駅まで着くことができました。

清水トンネルを通過するのは、高校の時にスキーへ行った時以来。

トンネルがタイムスリップをしているかのようで、

ぼんやり窓の外を眺めていました。

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もぐら駅土合に到着です。

僕の好きな『クライマーズハイ』と言う映画に出てきた駅で、

一度訪れたいと思っていた駅でした。

ここから車を停めたロープウェイ乗り場の駐車場まで、おおよそ20分。

のんびり歩いて帰ろうかと思ったのですが、

先程の山マダムが車で送ってくださるとのことで、

ありがたく同乗させていただきました。

 

今回は色んな経験ができました。

計画や計画変更などについてもそうですが、

体力面も山にみあうだけのトレーニングは準備としてやって行こうと思いました。

そして、なにより最後まで諦めない心は

これからの糧になるのではと思いました。

谷川岳山行 その2

オキの耳を出発し、次に目指すのは一ノ倉岳。

ここから縦走です。

オキの耳より先は鎖場も増え、登山者が一気に少なくなりました。

恐らく多くの人はオキの耳(谷川岳)が目標地点で、

ロープウェイからピストンのコースなのだと思います。

今回僕の目標が一ノ倉沢の上を歩くと言うことだったので、

一応折り返しは一ノ倉岳としています。

 

一ノ倉岳までの縦走は想像以上にアップダウンがあり、

所々鎖場もあってかなりキツい道のりです。

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のぞきと言われる一ノ倉沢の真上に到着。

ここに到着するころには夏の日差しが降り注ぎ、

やはり真夏だと思わせる体感温度に、どっと汗が吹き出します。

昔、何度か車で一ノ倉沢まで来て、下から雪渓を見上げた事はあったのですが、

のぞきから見下ろす一ノ倉沢は雄大で、

山肌を吹き上げる風が雪渓を通過すると、

冷風となって届けられる風は、先程のまでかいていた汗を冷やし、

体感温度は冷蔵庫並みに感じられるほどでした。

これがやがて利根川となり、遥か大海へと注がれる

最初の一滴となると思うと、とても感慨深いです。

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オキの耳を背にして、行く手にそびえ立つのが一ノ倉沢岳。

頂上は見えて、すぐそこに感じるのですが、これがかなり急登。

日差しの強さも重なり、足が止まる回数も増え、

頂上に近付くにつれ、足場も悪くなってきました。

写真を撮ったりしながら、徐々に頂上との距離を詰めていき、

登り上げた時に丁度ガスが巻いてきて、頂上からの展望はまたしてもガスの中。

登り返しの疲れもあって、腰を下ろしてしばし休憩します。

木陰になるようなところもなく、休憩するには直射日光が遮られ、

ガスってても良い事はあるもんです。

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軽く飲食を済ませた後、その先の茂倉岳まで行ってみようか、

しばらく地図を眺めながら考えていました。

疲れも、足の痛みもこの時点では無く、コースタイムも20分程度。

地図上でそれほど高低差もなく、当初の目標だった事もあり、

先に進む事にしました。


つづく

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晴れていればきっと綺麗だったであろうが、

再び濃いガスに阻まれ、普段の行いを悔やんでも、

今更ながら遅いのである。

 

 

谷川岳山行 その1

最近マイブームなのか?立て続けに登山に出掛けております。

計画する内容は、素人の僕にとってかなり苛酷なのですが、

すぐに心が挫ける僕は、精神修行の一環として山に登っているところもあります。

なので、前回の八ヶ岳もそうだったのですが、

日帰りでコースタイム6時間以上が目安となってます。

自分自身に苛酷さを課せるドSさと、それに耐えるドMさの、

両方を兼ね備えているのか?と、アブノーマルな部分なのか、

最近少々不安になることがあります。

 

某日、朝6時に谷川岳ロープウェイの駐車場に到着しました。

ロープウェイの運行は7時。

少々早く着いてしまったので、車の中で運行時刻を寝て待ちます。

車の出入りの音で目を覚ますと、僕が入ったときには

パラパラだった駐車場は結構埋まってきました。

まだ運行時刻まで少々時間はありましたが、

周囲の登山者につられて支度をして、ロビーへ向かいます。

 

ロビーに上がると、既にチケット売り場には列ができていました。

もう20年以上前に一度天神平へスキーに来たことがあり、

その際にロープウェイに乗っているので、天神平までは二度目になります。

ロープウェイの発着は3分間隔なので、

少々並んでいても比較的すぐに乗ることができます。

 

およそ10分程度で天神平に到着しましす。

到着して登山道までは目の前で、すでに続々と登る登山者の姿がありました。

この日もガスが掛かっていて、周囲の景色はイマイチ。

山頂に着く頃には晴れることを祈って出発しました。

 

 最初に目標地点はトマの耳。

30分歩いたところから、急登なところも出てきます。

正直ロープウェイでかなり上ってきたので、ナメてたところもあるのですが、

序盤からかなりやられた感じです。

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開けたところに出てきましたが、周囲はガスです。

景色でも見えればまた疲れも違うのでしょうけど、

こればっかりは仕方ないですね。

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ひとまずトマの耳に到着。

軽い飲食をしながら地図を眺めます。

他の登山者に写真を撮ってあげたのですが、

その人から受け取ったカメラには望遠レンズが付いていて、

足場の狭いところでは全員入りきらない事態。

ファインダーに収まるまでどんどん離れていくと、背後は崖。

依頼者から「後ろ後ろ」と、往年のドリフのコント「志村、後ろ!後ろ!」を

彷彿させるようなやり取り。

お陰さまでちょっと楽しかったです。

 

週末なので八ヶ岳ほどでは無かったですが、登山者多いように思えました。

肩の小屋で朝食、っと言ってもコンビニおにぎりですが、

ササっと済ませて先を急ぎます。

隣に座っていたマダム2人の話では、晴れていれば景色も良かったようです。

残念ですが、未だガスは晴れず・・・

 

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ようやく谷川岳山頂に着きました。

ここはオキの耳と言って、先程の『トマ』は手前、

『オキ』は奥を表すのだそうです。

耳って言うのは山の形が動物の耳にみえるからと言うことです。

地名とかも同じですが、面白い名称や、その言われって面白いです。

こうやって家に帰ってから、山行の事を思いだし、

調べたりするのがちょっとした楽しみになりました。

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ようやくガスの隙間より、青空が顔を覗かせました。

ここでは多くの人が、休憩したりしていました。

僕は一ノ倉岳、その先の茂倉岳をこの日の目標にしていたので、

ザックから飲み物を入れ換えただけで、そそくさと出発しました。

 

つづく

大人の夏休み

雨量不足で、渇水傾向の渓。

そんな今年のシーズンは前半こそ1つの渓に通ったが、

ポイントが少なくなると、釣人による競争率も高くなるもの。

渓に対する思いに、喧騒から離れたいと言うところがあるので、

あまりに混みあう渓には向く足も重くなってしまう。

 

夏休み、年に数度訪れる渓に向かった。

恐らく渇水だろうと半ば諦めていたものの、

想像したより水位は安定していた。

 

 

透明度の高い水質は、川底の様子をありのままに映し出している。

これだ!やはり僕にとってこの川は特別な存在。

今のように釣りができるのも、この川のお陰だと思うのである。

 

 

川を縫うように隣接する山道に入ると、

Tシャツ、短パンの軽装で来てしまった事を後悔するほどの寒さ。

地元では熱帯夜が続き、寝苦しい日が続くのに、

なんたる過ごしやすさと羨ましくなる。

日中暑くとも朝晩は気温が下がる、

この気温差が自然を育む一つの要素であるのだけど、

僕たちの住む地元ではそれが失われつつある。

 

川の状況から、一気に上流を目指した。

山道が川へ接近したポイントでいよいよ入渓。

およそ一年ぶりに訪れた渓に

久しぶりの友人に会うかのような、

少しのよそよそしさを感じていた。

 

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入渓してしばらくはここぞと言うポイントでも、

魚からの反応は返ってこない。

一度山道まで戻ると、魚止めの堰堤まで行ってみることにした。

堰堤付近には先行者の影がある。

再度山道をくだり、入渓ポイントを探し、

そこから上流を目指すことにした。

 

目の前に現れたら幾重にもになる落ち込み、

その一番下の落ち込みにルアーを落とすが反応がない。

岸際から一段上った落ち込みの奥のえぐれにキャストすると、

落ちる水に飲まれ、縁石にそって入り込むルアーは、

何者かにさらわれ、その衝撃が竿を介して手元に伝えられる。

待望の魚からのコンタクト、しかし喜ぶ間もなく魚は川底へと消えた。

かかりが浅かったのか、ルアーのフックの交換を面倒臭がったからなのか、

恐らく後者があるからこその事態に、今更悔やんでも遅いのである。

 

小さな縁なので念の為に2~3投するが、案の定反応はない。

1つ上の落ち込みに移動し、さっきと同じようなところへルアーを落とす。

するとさっきと全く同じようにルアーが攻撃された。

 

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背中に手を回し掴んだネットを川の水にサッと湿らす。

それに滑り込ませるように魚が収まった。

ようやく出会うことが叶った、夏のヤマメ。

その美しさは宝石との形容がピタリとはまる。

 

 

その後、移動しながら連続で反応があるものの、

キャッチには至らず、結局2桁近くバラシす結果となった。

しかし、夏ヤマメに出会えたことだけで、

それだけで十分な釣行でした。


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初めての八ヶ岳に挑戦する素人 その3

中岳へ

登って来た道を下り、赤岳を降りて、中岳との分岐点に向かう途中、

すれ違う登山者の中に3人家族の姿がありました。

旦那さん、奥さん、お子さん、仲むつまじく登山を楽しんでらっしゃる姿が、

微笑ましく目に写ります。

しかし、驚いたのはそのお子さん。

見た目小学生ぐらいの男の子に見えます。

男の子の背中にはハーネスのように縛られたベルトを、

お父さんが持って歩いていました。犬のハーネスのような感じです。

「凄いですね!!」

思わず声を掛けると、笑顔で返す両親と、振り返る事もなく登り続ける男の子。

負けてられないなぁ。

心の中で子供にライバル心を燃やすオッサンが、交錯する瞬間。

登山の楽しみでもあるのかな?なんて思います。

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 赤岳と中岳の分岐点まで戻ると、綺麗な稜線が出迎えてくれました。

晴れていればもっと綺麗なんでしょうけど、贅沢は言っていられません。

浮き砂利で足を取られながらも、コルの辺りまで降りてきました。

ザックの中から飲み物を入れ換えていると、中岳方面から降りてきた男性も

ザックを下ろし一休み。

「赤岳と方面からですか?」

どこにでもありそうな会話を交わすと、お互いの進行方向の尾根を見て、

「まだまだ先は長いですね。がんばりましょう。」と、

エールを交わし、それぞれに別れていった。

 

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中岳通過する頃には、登山者も増えてきました。

長野県では登山者にいくつかの山を対象に、

ヘルメット着用を推奨しているようです。

そのせいか装着、携帯している人が意外と多いのに驚きました。

僕も鎖場の多い山へ挑戦したくて、今年登山用のヘルメットを

新調したところだったので、心のどこかにあった

「素人のクセに格好から入りやがって」と、

思われるのではないかと言う不安は、緩和されたように思えた。

 

中岳を越えると、阿弥陀岳が見えてくる。

遠目で見るより遥かに、切り立っているように見えた。 

頂上付近はガスに覆われていたが、登っている人もちらほら見える。

コルの部分で食べ物を胃に放り込み、いざ阿弥陀岳へ。

 

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コースタイム的には往復で1時間ほど、

距離的には大した事はないが、赤岳よりコースが確認しずらいところが、

不安を駆り立てる。

大体8部目ぐらいまで到達したころか、ガスが濃くなってきた。

ガスのお陰で高度感は薄れたものの、今度は漠然とした恐怖に襲われる。

頂上までは手の届きそうな距離、

しかし明確でないコースに何度か登り降りしてコースを確かめる。

こんな時に限って他の登山者の姿は無く、

しばらく悩んで結局登頂を断念することにした。

 

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中岳と阿弥陀岳のコルに戻り、後は下山するのみなのだが、

久しぶりの登山で足はガクガク。

行者小屋まで降りてきた時にはギブアップ寸前で、

休憩場のベンチに倒れ込んだ。

 

空いたペットボトルに水を汲んでいると、

すぐそばで休憩している家族に目が止まった。

あ!この小さな男の子は赤岳ですれ違った家族だと、

気付くまでにそう時間はいらなかった。

 

その家族と休憩後に出発するタイミングが重なる。

ちょこちょこ歩く男の子のペースがかなり早い。

疲労を隠しながら、負けてられないと僕も着いていく。

しかもこの男の子、歌いながら歩いている。

グウの音も出ないとはこの事である。

 

しばらく歩いたところで、休憩する家族に話しかけた。

「お子さん凄いですね。いくつですか?」

するとお父さんが、「6才です」

「小学生なんですか?!いや~凄すぎですよ。」と、言った僕に

「幼稚園なんですよ」と、お母さん。

僕の小さなライバルは、末恐ろしい山ボーイでした。

こんな他愛ない会話が、山の思い出を一層濃いものにするのかと思いました。

初めての八ヶ岳に挑戦する素人その2

行者小屋から文三郎で、赤岳に向かいます。



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振り替えると行者小屋が遠ざかり、雲の多かった空は徐々に晴れて、
綺麗な山々が少しずつ近づいてきます。
それと共に気温があがり、目前には赤岳がそそりたちます。
その前に立ちはだかるのは、階段地獄。
脚力の無い僕は階段が苦手です。




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谷川岳にしかないのでしょうか?
ネットでたまに見掛けるマムートのエンブレム。
この写真は北沢コースで撮った写真ですが、
数は少ないものの、文三郎でもみかけました。
見つけたときは、かなり感動しました。
どうでもいい話ですが僕はこのマンモスのことを
『マムちゃん』と呼んでいます。


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文三郎と赤岳、中岳の分岐点
もう少し雲がどいてくれれば、絶景の稜線となるはず。
晴天を願いながらいざ赤岳に登ります。


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猛々しくそそりたつ岩の牙城。
こきからは今年買ったばかりの、ヘルメットを着用。
ヘルメット推奨の山が増えたことを受け、
僕も買ってみました。

赤岳の7部目ぐらいまで登った頃、
山頂辺りは瞬く間に取り巻くガス。
後、30分早ければ絶景が見られたかもしれないと思うと、
志し半ばで心が折れそうです。


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赤岳山頂に到着。
辺りはすっかり白い世界。


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赤岳山頂小屋から展望荘を眺めながら、お握りを頬張ります。
山で食べるおにぎりは言うまでもな最高ですね。
この場所は長野と山梨の県境らしく、
県境を跨いで朝御飯を食べると言う、
日常では滅多にない状況を堪能します。

先程の分岐点まで下り、次は中岳に向かいます。