毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

大人の夏休み その4

最終日、翌日は帰路に付き、

その数時間後には現実の世界の住人に戻る。

何をしようか迷った挙句、先日の川へ身をゆだねることにした。少し遅めの朝、薄曇りの空が明るくなっていく。

前日の夕方に降った雨の影響か、水位は若干上がっているように感じた。

そして、前日まで幼魚が群れを成していた渕には、魚の影はなかった。

気にはなったが、前日より1つのポイントに時間を掛けて釣り上がる。

 

前日の記憶が新しい中、このベントカーブを曲がれば、

良いポイントがあったはずと、慎重に川を渡って、対岸からアプローチをする。

石の影に隠れるように、そっと渕をのぞき込むと、

岸際の石の上に見慣れた物陰。

あ!

思わず声がでるのも無理はない。

前日散々探し回った、ランディングネットの姿がそこにあった。

諦めていただけに、再開の感動もひとしおである。

 

相棒との再会で、意気揚々と川を上るも、

前日魚の出た流れからは反応が無く、

一度山道まで出て、大きく上流を目指した。

いかにもと言うポイントからの反応はことごとなく、

ちょっとした渕で手のひらにすっぽり収まるほどの、

可愛らしい幼魚がミノーに食ってきた。

携帯のカメラを起動させようと、ポケットから出すと、

電源ボタンを押してもうんともすんとも言わない。

充電をし忘れたのかと、その場は諦めたが、

後に致命的な故障と判明し、携帯を変えることになろうとは、

この時は知る由もなかった。

 

遡上を続けると視界に、魚止めの堰堤が入ってきた。

あと少しでこの日の釣は終了、それと同時にこの遠征、

この夏の終わりを意味する。

もう少しこの時間を楽しみたい。

そんな思いから、粘るようにルアーを変える。

無常にも後小さな筋2つ程度。

落ち込みの下から慎重にラスト2筋目を流すと、

待望の魚が体をくねらせ、もんどりうって水面を割る。

慌てて、戻ってきた相棒(ランディングネット)に滑り込ませると、

その魚はヤマメだった。

ここまでヤマメが上がってくるとは思っていなかった。

この川のこの区間で、ヤマメを釣ったのは初めてのことだった。

それ故に新たな発見に心が躍った。

 

こうやって今回の遠征も幕を下ろした。

毎回同じような感想になるが、飽きることなく、

毎回新しい発見がある。

だからこそ毎年が楽しみになるのだ。