賽の河原を通過し、Jバンドに登り上げる。
先ほどまで歩いた道に歩いている人が、豆粒のように見え、
そんな風に見えるところまで登ってこれたのだと実感できる瞬間である。
Jバンドからは外輪山の稜線歩き、
4年前も歩いたこの稜線は、ガスのせいでほぼ記憶にない。
こんな景色だったのか、ここから前掛山が見えたのか、
はじめての山のような感覚だが、ここは一度歩いた道。
自然との出会いは一期一会、
この瞬間ですら二度と目にすることはできない。
今はゲームのように『挑戦したい山』を1つ1つクリアするように
登山しているが、2度目に登った時、何度も登った時、
その度に初めての楽しみはこういうところにもあるのだろう。
太陽が出ると、とたんに汗が噴き出してくる。
さっきは手がかじかむほど寒かったのに、今は汗をかくほどの気温差。
自然の厳しさを垣間見る瞬間でもある。
さっきまでいた前掛山の頂上のガスが晴れていた。
ここで写真を撮っていた数名のグループが、
ガスが晴れていることを悔しがっていた。
まぁこうやってくっきり晴れた山頂を写真に収められることが、
逆にラッキーだと言った人に、みんな共感していた。
山と山の間が盆地のようになり、そこはまるで箱庭のようである。
彩とりどり、自然の彩どりがどこかおもちゃっぽく見えたりする。
黒斑山頂に着いた時、再びガスに景色が包まれていった。
あっと言う間に前掛山頂は見えなくなり、周囲もガスに包まれていった。
つかの間の晴れが、僕にとって良い山行になった事は間違いない。
その時々で最高の景色は、登るひとそれぞれに存在するのだと思いました。
4年ぶりの浅間山。
この4年間の成長が感じられた山行でもありました。
また何年か後に、登ってみようかと思っています。