毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

疫病

コロナウィルスが世界で猛威を振るい、

瞬く間に多方面へさまざまな影響を及ぼしている。

テレビやネットでは連日感染者の拡大を報じ、

迫りくるその脅威に怯え過ごす人も少なくないだろう。

新型のウィルスという事で、専門家でさえ憶測で話をしている段階。

一般の人はその情報に踊らされているところも否めないと思うのだ。

 

かつて東北大震災の時もそうだったように、

未知なる脅威に対して、不安は時に冷静な判断でさえできなくなるものだ。

情報社会の現代、必要な情報はすぐに手に入る。

しかし、その情報を得る人たちが、その情報の表面だけ読み取り、

誤解な行動をしてしまう事こそ、非常な事態の時には

負の連鎖を起こし、それはやがて悪い事態に陥ることもある。

 

かつてこの地球の長い歴史の中では、災害や疫病により

今では考えられないほどの被害が起こっていた。

疫病、14世紀に世界で猛威を振るった『ペスト』。

黒死病とも呼ばれ、1億人もの死者が出たということだ。

当然、現代とは違い詳細な情報などはまとまるはずもいので、

もっと多かった可能性もあるのだと思う。

当時は医学や化学も現代とは比べ物にならないほどだったろうし、

宗教的な神頼みのような事で病気が治ると信用していた事もあるだろう。

例えば、今回のコロナウィルスで、紙製品が無くなるという情報に、

売店から紙製品がなくなったという事件があったが、

ペストの時にはさまざまな憶測から、ユダヤ教徒が井戸に毒を入れたと

言う情報から、迫害や虐殺があったと言う。

現代であっても、人は自分が危機にさらされる不安からは、

正常な判断やその情報の真意を知ろうとすることも

できなくなってしまうものなのだろう。

それが多数の集団心理が絡んでくれば、瞬く間にその情報は広がる。

悪いうわさ程広がる速度は速いものなだ。

 

ペストが蔓延し、それが労働者にまで及ぶと、経済に大きな影響を及ぼす。

現代でも、徐々にその影響は出てきている。

紙製品の在庫はあるものの、急激な品薄の状態で、輸送が間に合わず、

流通にもその影響が迫ってきている。

品薄な状態により不安になって買い足す人、家の在庫がなくなる人、

品薄な状態がつづけばそのような連鎖で、ますます品薄な期間が長引く。

流通が不安定になれば、全く紙製品とは関係ないものまで、

流通しにくくなってくる。

近所のスーパーでは、一時的に米の入荷が遅れ、棚が空になっていた。

このように冷静で正確な判断ができなくなる状態は、

さらなる不安を掻き立て、それが負の連鎖を生み、

さらに自分へとその影響は返ってくると考えてほしい。

こんな情報社会、ネットのニュースでもタイトルだけ読むだけでは

大きな誤解を生むことになる。

 

紙製品のデマも、最初は憶測から始まったものかもしれない。

SNSで何気なくつぶやいた一言が、伝言ゲームのように広まったとすれば、

『なくなるかもしれない』が『なくなる』になってしまう可能性もある。

今やSNSは光のスピードの伝言ゲームと言えると思う。

良い面もあれば、悪い面もある。

ネットは諸刃の剣だと再度認識すべきである。

 

臨時休校、外出の自粛、今までにない経験をして、

時間が経てば不安やストレスも大きくなる事だろう。

かつて、結核日本脳炎、はしかや水疱瘡

日本でも伝染病が蔓延した歴史もある。

しかし、その度に科学の力で乗り切ってきた。

今やそれらの病気は不治の病ではなくなった。

そんな事を言っても今は不安が勝つだろうが、

今はただ耐えながら冷静に立ち向かっていくしかないのだろう。

 

もう少しの間、みんなで頑張りましょう。