春に行う松の剪定を、「みどり摘み」と言う。
新芽の緑の部分を摘んで、枝の伸ばし方や方向を調整するために
行うのが目的です。
年1回の剪定でも良いのだけど、新芽は勢いが良く、
ひょろひょろと1本だけ飛び出てしまう事がかなりある。
この時期に新芽を摘むことによって、枝の成長を遅らせ
全体的なフォルムを整え、理想の形に仕上げていきます。
と、言っても、僕自身それほど植木が好きなわけでもなく、
ただ昔から庭に植えてあっただけの存在。
以前はあまり向上心もなかったけど、
ここ数年はなんとなくその木の性格が解ってきた感じで、
そうなるともう少しこうしてみるかとか、
次はこうしようなどと言う気持ちも芽生えてくるもんで、
その辺自分の性に合っていたのかなんて思う事もある。
植木はすぐに答えが出るわけでもない。
大げさな話、今日は良くても、時間の経過と共に
その失敗に気付いたりすることもある。
自然界のものはそうだけど、その造形を保つことなく、
絶えず変化していく。
そして、それは往々にして思い通りにならないことが多い。
そんなところが、面白いのかもしれない。
松に限った事ではないが、勢いのある新芽は密集して生えやすい。
それが密の状態になると、虫に食われたり、
変な病気にかかる事もある。
適切に間引いたり、枯葉や枯れ枝の掃除をすることも、
樹木を守るためには必要な事である。
この事はこのご時世に起こっている事と同じく、
密を作らないことが病気に感染しない方法であるのと一緒な気がした。
そして、人口が密集した都市に感染者が多いように、
日常の生活にも適当な距離と言う物が、自然の摂理にはあるのかもしれない。
連休の最中、絶好の行楽日和が続いていますが、
庭先で自然と触れ合う時間も、普通の生活の中ではできなかったでしょう。
そんな事をぼんやり考える、そんな家での過ごし方でした。