毎日を明日なきものとして生きる

外遊びの楽しさを探すブログ

友と

緊急事態宣言が解除が特定区域以外で解除されて間もない頃、

不要不急の外出はまだ自粛を要請されていた。

毎年数回友人と共にする釣行は、このコロナの騒動で

2度ほど延期を余儀なくされていた。

致し方ないとは言え、感染リスクの少ない”屋外”への移動の

自粛の有効性を疑問に思う事もあったが、他の事故であったり、

災害であったりすることとの違いは明白で、

一個人のいわゆる自己責任でどうこう言う問題では済まされない事は、

友人とお互い「大人の対応」をしようと言う結論を出したことが、

大きくが物語っていると思う。

そんな中どちらからともなく、そろそろ良いのでは?と言う

雰囲気がメールの文脈からお互いが感じていたのだろう。

完全自粛解除となる前であったが、今回の釣行に踏み切ったのであった。

 

昨年は天候不順なども重なって、僅か1回しか釣りに行けなかったが、

定期的にお互いの釣果を自慢したりするメールで、

お互いの近況はおおよそ把握できていたこともあり、

『懐かしさ』と言う物は感じないのはいつもの事だが、

今回は多少の安堵感のようなものを一瞬感じたのは、

コロナ騒動や、昨年の台風の災害があったからだろう。

深夜のコンビニで集合し、荷物を積みかえて出発するのだけど、

今回は忘れ物が無いか心配になるくらい荷物が少ない。

そう、この荷物の少なさこそ、今回のターゲットの釣りなのだ。

それは緊急事態宣言が出る前、友人と春先の釣行の話をしていた時、

友人から、雷魚釣行にしないか?と言う提案があったことに始まる。

僕自身2年近く雷魚をやっていなかったこともあり、

最初に聞いた時は少し戸惑っていた。

僕が雷魚釣りによく行っていたころ、地元や近県を巡り、

長年かけてその1尾にたどり着けなかった自分の腕の無さもさることながら、

雷魚が生息するような自然環境が、年々減少することに

なんともいたたまれない気持ちから気持ちが徐々に

離れて行ってしまったこともあった。

そんな中、今回の友人の提案はいろんな意味で驚きがあった。

しかも、それには遠征を伴うという。

友人との遠征、忘れていたワクワクが蘇るような、

そんな釣行になる予感がしていた。

 

天気は上々、時折雲の切れ間から顔を覗かせる星空を横目に、

深夜の国道をひた走り目的地に到着したのは深夜だった。

仮眠を挟み、夜明けを待って車を降りると、

朝焼けの空に大きな捕食音が轟く。

その主は、友人と顔を見合わせた相手の反応で、

雷魚の存在を確信に変えた。

湿地特有の匂いが鼻孔に広がり、鳥の鳴き声やカエルの鳴き声が、

四方八方から聞こえてくる。

この環境こそ釣れないポイント探しの中で、追い求めた環境がそこにあった。

 

この釣行を妨げる幾つかの障害はあったものの、

それを乗り越えて、たどり着いたという気持ちなのか、

本当に心地よい朝となった。

 

つづく