今年もこの時期がやってきた。
コロナ禍で色んな事が想定外だった一年。
経済も大きく影響を受け、生活を脅かし、
日常だと思っていたことが思うようにできない、
そんな歯がゆさと、慣れない新しい生活様式で、
モヤモヤした一年になった。
そんな中でもなんとか時間を作り、出かけた先には、
今まで当たり前に感じていたことへ、感謝できることができたのは、
せめてもの救いだったかもしれない。
緊急事態宣言が明け、春先にと約束していた雷魚の遠征。
約束した友人とこの状況下で釣りに出かけて良い物かを
話し合ったりもした。
人の移動制限も緩和されたタイミングを見計らい、
久しぶりの遠征に出掛けられた。
しかも、対象魚は雷魚。
ここ数年その釣りから離れていたために、最初は友人のその誘いに
戸惑った気持ちもあった。
2人で1日頑張ったものの、仲良く1バラシずつで終わった。
久しぶりの湿地帯の草と泥の入り混じった匂いと、
静かな水辺に響き渡る雷魚の捕食音や、野鳥のさえずり。
川や海の釣りと違い、水が流れる音がなく、より自然の中にいる
間隔が強いこの釣りの醍醐味を鮮明に思い出せた。
また来年も雷魚にまた行きたい、そんな気持ちにさせてくれる
そんな釣行でした。
コロナと長梅雨の影響で近場でも釣りをする事が出来なかった初夏、
例年なら夏休みを利用して行く海も中止を余儀なくされた。
完全に不完全燃焼だった夏が過ぎようとしたある日、
再び友人より面白い誘いを受けた。
山上湖、野反湖への挑戦。
それは、ずいぶん前に友人と語らった所謂ロマンが詰まっている湖。
その湖のブルーバックを求めたが、強い雨の中ノ―フィッシュで終わった。
しかし、お互い釣りにどっぷりハマっていたころの
期待に満ちた顔で次回を約束した。
夏に行けなかった遠征をスライドさせ、
釣り三昧の遠征に出かけたのは初秋の事だった。
久しぶりの海の釣り、今年はもういけないと覚悟していただけに、
遠征に行けただけでも非常にラッキーなことに感じた。
カンパチの幼魚、数年ぶりのイカ。
海のワクワクする気持ち、夏を感じさせるような暑さが、
忘れかけた夏休みを思い出させてくれた。
そしてもう1つの遠征。
禁漁間近でこれが今シーズン最初で最後の渓流になることを考えると、
行く前から切なくなった。
そんな気持ちを抑えつつ、大好きなあの川に今年を戻ってこられたことに
大きな喜びを隠しきれずにいた。
思い出の川で糸を垂れるだけでも十分。
今までも自然の中で釣りができる事に感謝は忘れなかったが、
今年はより一層強くそれを感じられた。
だからこそ、真剣勝負で挑み、だからこそ、心が満たされる。
今まで感じた事のない感情で溢れていた。
今まで生きてきた中で感じた事の無い複雑な感情に苛まれたこの一年。
自分1人の力では、到底どうすることもできない歯がゆさに、
失意することも少なくなかった。
しかし、そんな状況だからこそ見えた事もあり、
そんな中で新たな発見もあった。
いつ平常を取り戻せるか見通しはつかず、ずっとこのままに
なってしまうかもしれない不安の中、この状況下で今自分に出来ることを
今一度考え、この新しい生活様式を考慮した計画を
来年は考えていかねばならない。
来年の今頃、一年を振り返る記事を書いた時、
どんな気持ちでいるのか、今から楽しみでならない。